自然に存在する L-システインの形で、食物、医薬品、パーソナルケア製品に用いられる。最も主要な用途は香料の製造である。例えばメイラード反応で糖と反応させると肉の香りを持つ成分が生成する。また、パンを焼くときの添加剤としても使われる。少量(約 10 ppm 程度)を加えることによって生地がやわらかくなり、製造にかかる時間が短縮される。
パーソナルケアの分野では、主にアジアでパーマネントウエーブに用いられる。システインは髪のケラチンのジスルフィド結合を切断する。
生体分子の構造・動態を研究する際に行われる部位特異的標識実験の対象としても一般的である。マレイミドはマイケル付加によって選択的にシステインと結合する。電子スピン共鳴での部位特異的スピン標識にも用いられる。
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誘導体の N-アセチルシステイン (NAC) はしばしば鎮咳剤として用いられる。これは、粘液中のジスルフィド結合を切断して液状化させ、痰を切れやすくするためである。既に述べたようにサプリメントとしても使われる。
タバコ製造業の上位5社の1994年の報告によると、システインは紙巻タバコへの599の添加物のうちの1つである。他の添加物と同様、添加の目的は明らかにされていない。
羊 [編集]
羊にとって、システインは羊毛を作り出すのに必要だが、体内で作り出せない必須アミノ酸なので食草から摂取しなければならない。このため、羊は乾季には羊毛の生産を止める。しかしながら遺伝子組み換えによってシステインを自ら作り出せる羊が開発されている。
生合成 [編集]
生体内では、メチオニンの硫黄原子がセリンのヒドロキシ基酸素原子と置き換わることにより、シスタチオニンを経由して合成される。
メチオニンがメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ (EC 2.5.1.6)、メチルトランスフェラーゼ (EC 2.1.1.-)、アデノシルホモシステイナーゼ (EC 3.3.1.1) によりホモシステイン (homocysteine) となり、これがシスタチオニン-β-シンターゼ (EC 4.2.1.22) によりセリンと結合してシスタチオニン (cystathionine) を経てシスタチオニン-γ-リアーゼ (EC 4.4.1.1) によりシステインとなる。