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大地の神

兵庫県から山陰にかけてはこの行事が「きつね狩り」となっている。日本の民俗学の先駆者である柳田国男氏の出身地の北隣り、兵庫県神崎町で採録されている、この行事の唱え言葉は次のようなものである。「わりゃなにそうろう」「若宮祭とて、きつねがえりそうろう」「もう一声しようもうしよう」「ワイワイワイ」
 神戸新聞社発行の『兵庫探検・民俗篇』には、このほかいくつもの地区の唱え言葉があげられているが、神崎町が最もととのっている。つまり、宮中行事にもなっている秋の「亥の子送り」と同じく、山の神を送り出す神事なのである。
 京都、滋賀そして東北の一部では「なまこひき」がある。唱え言葉は、「もぐらどん内にか、なまこどんのお通りじゃ」「オングロモチ(モグラ)送った。マンマコドンのお祝いじゃ、ドンドコドン」このとき引いてまわるのは本物のナマコのこともあるが、だいたいは棒や束ねた藁である。やはり古い行事で、束ねた藁を用いるのに「嫁たたき」がある。花嫁のところへみんなで押しかけ、藁でおしりを叩いて出産を祈る。今でも残っている地方もあるという。「もぐらうち」のように小正月に行なうところもあったらしい。さきの「マンマコのお祝い」はこれと混同したのではなかろうか。
 世界中、豊作をつかさどる大地の神は、性と出産もつかさどっている。そのお使
いがキツネであり、イノシシであり、そしてモグラであったと考えるべきであろう。

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2008年06月30日 11:40に投稿されたエントリーのページです。

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